いとうコラム

原因不明の膝の腫れ


原因不明の膝の腫れ
60代の女性が原因不明の膝の腫れで来院されました。
以前から階段下りの若干の痛みは有りましたが、日常生活に大きな支障は無かった為、病院等には行く事は無かったそうです。
しかし2年程前から膝に水が溜まりだし、その都度注射で抜くもまたすぐ溜まるとの事。
私も診たのですが、整合性に若干の狂いはあるものの、長期に渡り水が溜まる程ではありません。
この様な若干の疑問を持ちつつ、治療を続けていたのですが、今一つ結果が出てきません。
そこで再度見直してみると、前十字靭帯が多少伸びた状態になっている為に、膝の安定性が低下しそれが膝の腫れの原因となっていました。
十字靭帯は転倒とかの、何らかのはっきりとした原因がない限り損傷する靭帯ではありません。
患者さんに聞いてみると、思い当たる節は無いとの事。
しばらくして、「そう言えば20年ほど前に、犬のリードが絡まって転倒し膝を強く打った事がある」との事。
恐らくその時に前十字靭帯を伸ばし、そのまま伸びたままの状態で、普通に生活していた様です。(若干の痛みは有ったようですが)
この様に何年も前に損傷し、それに気付かないままに生活しているパターンは時々見受けられます。
靭帯の断裂、またはひどい損傷の場合は、整形等で気付くのですが、そこまでひどくない場合は関節の動揺も少なく、痛みもしばらく経てば落ち着いてくるので、見過ごされてしまっている事があります。
青写真・設計図、地図、テキストの画像のようです
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