食生活について 9 (牛乳)
牛乳について書いている時、よく聞かれる事があります。
「牛乳を飲まなかったらカルシウム不足で骨や歯がもろくなるんじゃ
ないでしょうか?」
大丈夫です。もろくなることはありません。
なぜなら、私達が普段とっている野菜や海藻にはカルシウムが
牛乳より沢山含まれているからです。
いくつか例をあげてみます。
小松菜 ・・・1.5倍
大根の葉っぱ・・・・・・2倍
切干大根 ・・・・・・5倍
昆布 ・・・・6.5倍
わかめ ・・・・・・7倍
ひじき ・・・・14倍
煮干し ・・・・22倍
上記の他にもカルシウムを豊富に含む食品はいくらでもあります。
もちろん牛乳にもカルシウムは100gにつき約113㎎含まれています。
但し、吸収効率に問題があり、
例えば、母乳には100gに対し約32㎎しかカルシウムが含まれませんが、
母乳の方が牛乳よりも多くのカルシウムを吸収しています。
その原因は、牛乳がカルシウムだけでなくリンを多く含んでいるためです。
リンは腸管内でカルシウムと結合するために、カルシウムの吸収を
阻害することがあります。
そのため栄養学ではカルシウムとリンの比率が2:1以下の食品をおもなカル
シウム源として利用すべきといわれています。(例えば3:1とか4:1)
母乳は100gに対しカルシウムが32㎎、リンが14㎎、つまり2.3:1
となり、牛乳は100gに対しカルシウムが113㎎、リンが84㎎で1.35:1
となり、結果牛乳は吸収効率が悪いということになります。
日本には牛乳よりもすぐれたカルシウム源がたくさんあり、牛乳を飲まないことで
カルシウム不足になることはありません。
例えばアフリカ象やキリンは草しか食べてませんが、
あれだけ大きな体を支えることができる骨格を維持してるでしょう。
*乳製品は「乳酸菌」が多く含まれていると言われますが、日本人は遥か昔から
それを動物性の物ではなく漬物や味噌、醤油、甘酒等で豊富な植物性の乳酸菌
を摂取してきました。(植物性の乳酸菌は動物性乳酸菌よりも生きたまま腸に
届くことが、最近の研究で判明しています。)