いとうコラム

食生活について 8 (牛乳)


今回は、牛乳が原因と思われるアレルギー反応について書いていきます。

 

牛乳アレルギーはさまざまな形で発現します。

 

消化器症状もその主な一つで、胃腸からの出血で鉄欠乏性貧血を引き起こします。

出血は微量ですが、ゆっくりと確実に出血します。(視診だけではわかりません)

 

その結果、鉄欠乏性の貧血になり、イライラ、無気力、注意力散漫になりやすいです。

小児の鉄欠乏性貧血の半数は、牛乳に対する胃腸過敏が原因と考えられています。

 

(牛乳にも鉄は含まれていますが、わずかで、

他の構成要素と結合しているため腸管から吸収されにくいです)

 

牛乳アレルギーの発生頻度はどれくらいでしょうか?

又、消化器症状の他にどの様な症状があるのでしょうか?

 

最近はカナダのサスカチェワン州の医師らによって綿密に調査分析されま

した。その結果787人の赤ん坊のうち、59人が牛乳アレルギーである

ことがわかりました。発症頻度は7.5%です。

 

牛乳アレルギーと確定診断された赤ん坊にもっとも頻繁にみられる症状は、

下痢、湿疹、反復性の嘔吐、再発性の鼻づまり、再発性の気管支炎などです。

 

又、子どもは牛乳を飲む時期が早ければ早いほどアレルギーを起こし易くなります。

 

他に、ネフローゼを患っている子どもで、薬剤の効果が期待できない場合、

食事から牛乳(チーズ、アイスクリーム等の乳製品を含めて)を除去すれば

たんぱく尿が治まり改善がみられたことから、牛乳やその他の食品に対するア

レルギーが一部の子どものネフローゼに関与しているのではないかと推測

されてます。

(コロラド大学とマイアミ大学医学部の研究グループによる)

 

虫垂炎の患者にも共通して、牛乳を多飲する傾向が見受けられます。

 

牛乳アレルギーに対する世間の認識はまだ低く、牛乳が子どもの食物とし

て理想かつ不可欠な要素であるという誤解が根強く残っているようです。

 

 

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